CDP、Earth-Positive Economics Advisory Boardを設立
CDPの環境情報を経済の意思決定に活用
ロンドン、2026年6月22日 — 世界の環境情報開示システムを運営するCDPは、このたび「Earth-Positive Economics Advisory Board」 の設立を発表しました。本アドバイザリーボードは、第一線で活躍する経済学者、学術研究者、企業戦略の専門家を集結させ、CDPが長年蓄積してきた企業のサステナビリティおよびレジリエンスに関するデータを、経済の意思決定へと結び付けていくことを目的としています。 環境の健全性が経済的繁栄を支えるという考え方を基盤に、「Earth-Positive Economics Advisory Board」 は、CDPが長年蓄積してきた環境情報と知見を活用し、環境要因と経済価値との関係性について、環境要因と経済価値との関係性について、相関関係の分析にとどまらず、その因果関係の解明を目指します。 また、本アドバイザリーボードは既存の研究成果や重要な知見を発展させ、企業の意思決定者が環境インサイトに基づき、より高いレジリエンスと経済的機会を実現できるよう、実践的かつ実証的なエビデンスを提供していきます。
Earth-Positive Economics Advisory Board メンバー
石井菜穂子氏(東京大学 グローバル・コモンズ・センター ディレクター)
Michael Sheren氏(Fellow, Cambridge University Institute for Sustainable Leadership; Former Bank of England Senior Advisor and G20 Co-Chairman)
Dr Markus Zimmer氏(Senior Economist; Professor of Sustainable Management, Baden-Wuerttemberg Cooperative State University) [cdp.net]
Markus Müller氏(Managing Director, Chief Investment Officer Sustainability & Global Head of Chief Investment Office Private Bank, Deutsche Bank) [cdp.net]
Peter Tufano氏(Baker Foundation Professor, Harvard Business School; Senior Advisor, Harvard Salata Institute for Climate and Sustainability)
本アドバイザリーボードのメンバーは、経済理論、金融、実体経済における豊富な専門知識を有し、サステナビリティの原則を測定可能な財務成果へと結び付ける経験を持つことから選出されました。 CDPの最新レポート「Corporate Health Check」によると、分析対象となった13業種のうち7業種で、気候変動対応の先進企業はパフォーマンスが低い企業と比較して同等またはそれ以上の市場価値成長を示しており、過去12か月間で総額2,180億米ドルの環境関連ビジネス機会を創出していることが明らかになりました。 「Earth-Positive Economics Advisory Board」 は、こうした知見をさらに発展させ、より詳細な経済的関係性を明らかにすることで、より実践的な知見の創出を目指します。
CDP CEO Sherry Maderaのコメント 「レジリエンスを構築し、世界的なリスクや機会に対応するためには、企業はバリューチェーン全体に目を向ける必要があります。不確実性が高まる中、経済全体を視野に入れたアプローチが求められています。また、環境要因が原材料、価格、貿易に及ぼす影響については、短期・長期のいずれの観点からも無視することはできません。 「Earth-Positive Economics Advisory Board」は、CDPが有する幅広い環境情報と知見を活用し、環境動向と経済価値創出との間にある明確な因果関係の解明に取り組みます。 私たちは、気候および自然に関するデータを組み込んだ新たな経済原則の実践的な枠組みを提示したいと考えています。そのためには、世界の経済分野の専門家と連携し、大胆なアイデアを生み出していく必要があります。このアドバイザリーボードの設立を大変嬉しく思います。」
東京大学 グローバル・コモンズ・センター ディレクター 石井菜穂子氏のコメント 「前進を阻む大きな障壁は、データ不足ではなく、自らの行動が成果につながるのか、それとも逆効果となるのかについての確信が持てないことです。組織は、より明確なシグナル、一貫性のある指標、そして自らの行動が正当に評価されるという確証を求めています。
このアドバイザリーボードは、その停滞を打破する機会となります。行動を加速させるために本当に有用なデータを特定し、政策介入の方向性を示していくことができるからです。今後の課題は、どのデータが実際に行動を促進するのかを見極め、それを現実の経済や企業の意思決定へと組み込んでいくことです。」
今後の活動
本アドバイザリーボードの初会合は、2026年6月25日に開催されるLondon Climate Action Week 2026で実施され、優先的な研究テーマの整理と初期仮説の検証が行われる予定です。また、その成果は2027年初頭に公表予定の報告書に反映され、サステナビリティを経済モデルや投資モデルへ組み込むための道筋が示されます。
問い合わせ先: CDP Worldwide-Japan press.japan@cdp.net