2026年度 基準の適用・導入の拡大
IFRS S2に整合した2025年CDP情報開示の分析
基準の国際調和の重要性はかつてないほど高まっています。世界のGDPの約60%を占める国と地域が、その法規制の枠組みにISSB基準を使用することを既に決定しているか、自国の法的・規制的枠組みへISSB基準を導入する手続きを進めています。
2024年、CDPは気候関連情報開示のベースラインとして、ISSBのIFRS S2基準にコーポレート質問書を整合させました。これにより、世界の時価総額の約3分の2に相当する企業が、IFRS S2に整合したデータを体系的かつ透明性の高い方法で開示できるようになりました。CDPは、IFRS S2に整合した環境関連データを提供する単一の情報源として最大のプラットフォームであり、その一貫性と国際的で比較可能な一貫性があるCDPのデータは、投資家および意思決定者に広く活用されています。
このグローバルスナップショットでは、CDPの質問書におけるIFRS S2に整合済みの質問への開示動向を分析するものであり、企業の対応が進んでいる部分と、引き続き対応が求められる重要なギャップがある部分を明らかにします。
CDPを通じた IFRS S2整合性のグローバル分析
既にCDPを通じて環境情報を開示している、世界の時価総額の3分の2に相当する企業は、ISSB基準を導入している国と地域の新たな要件を満たす途上にあります。
この分析は、2025年の企業回答データのうち、主要100か国に本社を置く10,413社の企業のデータに基づいています。
企業の87%が、IFRS S2に整合済みの質問の80%以上に回答(2024年のデータ:83%)
企業の88%が、IFRS S2に整合済みのガバナンスに関するすべての質問に回答(2024年のデータ:85%)
企業の31%が、IFRS S2に整合済みの気候関連の指標に関するすべての質問に回答
基準に準拠した情報開示の拡大
企業の大多数が気候ガバナンスに関する質問に回答しており、88%が気候関連のリスクと機会を管理するために用いているプロセスに関する、IFRS S2に整合したすべての質問に回答しています。リスク管理に関する開示も強化されて、、83%がIFRS S2に整合したすべての質問に対して開示を行っており、これは前年から25%の増加となっています。これは、IFRS S2に整合した質問の中でも最も顕著な前年比改善の一つであり、企業が気候関連のリスクと機会の特定、評価、優先順位付けし、モニタリングに用いるプロセスの開示が企業の間で着実に進んでいることを示しています。
その他IFRS S2構成要素への回答率に関しては引き続きギャップが存在するものの、改善の傾向は見られます。2025年の回答全体で回答率の低い構成要素である気候関連の指標では、31%の企業がすべての整合済み質問に回答し、前年比6%増となりました。
情報開示の義務化が近づく中、以下の結果は、企業がIFRS S2に整合した報告の範囲をさらに拡大すべき主要領域を明らかにしています。
政策立案者とCDPとの連携
ISSBに整合した開示要求事項の導入を進める国や自治体が増える中、CDPは、独自のデータと分析を通じて、政府や政策立案者による市場の準備状況の評価、規制枠組みの形成、資本配分機会の特定を支援できる立場にあります。CDPはまた、IFRS S2に整合した情報を開示するためのグローバルにアクセス可能なプラットフォームを提供するとともに、その普及状況を経済全体で追跡する手段も提供しています。
CDPには、開示基準や枠組みの普及・定着において実績を積み重ねてきました。例えば、2018年のCDP質問書のTCFD提言への整合は、TCFDに整合した報告の世界的な主流化を後押しし、その後のサステナビリティ報告の義務化の拡大にも影響を与えました。
ISSBへの整合に向けたCDPとの連携
CDPは、ISSBの気候関連情報開示の主要グローバルパートナーであり、ISSBの気候関連基準は、CDPの気候関連開示における基礎となる基準を形成しています。開示されたデータセットと併せて、CDP質問書は、企業がIFRS S2開示へと移行する過程を支援するための有効なツールとなっています。
CDPを通じた情報開示(質問書への回答期間:2026年6月~10月)により、企業は、IFRS S2に整合した環境データを、その他の重要な開示基準と枠組みに沿った情報とともに、ステークホルダーおよびより広い世界市場へ共有できるようになります。
